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Shimokitazawa Indies Fanclub

CROSSTALK #04

TUCKER
 ×
やけのはら
 ×
古川太一(RIDDIM SAUNTER)

“変な人”とか言われるのはいいけど、“変態”って書かれるのはちょっとイヤ(笑)

──3人はそれぞれ面識は?

やけのはら TUCKERさんとは面識ありますね。

古川 僕、やけのはらさんは名前は存じ上げてたんですけど、ちゃんとご一緒したことはなかったですね。

やけのはら そうですね。たぶんカクバリズムのイベントとか、人がいっぱいいるところではご一緒してそうですけどね。

TUCKER 僕はRIDDIM SAUNTER(以下、RDM)と、ロンドンで一緒にツアーまわったんだよね。

──TUCKERから見た、RDMの印象ってどうでしたか?

TUCKER あんまり偉そうには言えないけど(笑)、やっぱり躍動感っていうのがすごくあって。曲構成も楽器構成とかもすごくきちんとしてるんだけど、すごくユニークでもあって。シンセベースが中心になっているやつとかもあったかと思えば、オーケストラと一緒にやってたり。それでいて、ライヴとか結構めちゃくちゃだったりするから面白いよね。

──バンドでありつつ、だけどバンドっていう形態にこだわってない感じっていうのは、とくに最近のRDMのライヴを観てると思いますね。太一くんほど、あんだけステージの前のほうに出てくるドラマーもいないもんね?(笑)。間奏くらいのところで、ドラム叩かないで前に出てきて煽ったり(笑)。

古川 肝心なときに前に出てっちゃってるみたいな(笑)。ドラムも長く続けてると、どんどん叩けるようになるじゃないですか。普通に叩くことが、ちょっとつまんなくなっちゃったりして、そこで変化を得るために立ってドラムを叩いてみたりして。叩きにくい曲を、なんとか叩いてニヤッとするのが楽しかったり(笑)。

TUCKER そういうちぐはぐな、感情が高まったゆえに音がなくなってる!みたいな状況を何度か観て、それ面白いなぁって思って、相当笑ってたから。ステージは、結構みんな激しいよね。壊してる感がすごくって、一般的にそれがいいのはわからないですけど、やってるテンションが高くなっちゃって、思いがけずこうなっちゃった!っていうのは、観てて美しいものがある。

──やけのはらさんは、TUCKERとの出会いは覚えてますか?

やけのはら TUCKERさんと初めてご一緒したのは、2004年末ぐらいの青山蜂のイベントだったんですけど、その前に僕が初めて観たのは、TUCKERさんが渋谷のタワレコでインストア・ライヴやられてて。

TUCKER あーやった、やった!

やけのはら その時にすでにTUCKERさんのことを知っていたか、まったく知らないで観たかどうかは定かじゃないんですけど、たまたま渋谷にいたんでインストア覗いたら、なんかすごく変な人だなって思って、面白かったのが印象でしたね。たぶん基本軸は今とあんまり変わらないライヴでしたよね。一人でいろいろ楽器やって、エレクトーンに火つけたりもやってたんじゃないですか?

TUCKER やってたねー。うーん、あんま変わってないね、ホント(笑)。

やけのはら めちゃくちゃクレイジーで面白いなって思いました。

TUCKER でもなんかね、“変な人”とか言われるのはいいんですけど“変態”とか、“変態キーボーディスト”って書かれるのはちょっとイヤ(笑)。

やけのはら “変な人”と“変態“との差異はなんなんですか? なんかいっぱい両生類とか飼ってそうな感じとか?(笑)。

TUCKER うーん、なんかシモの話でいえば、スケベだけど変態じゃない、みたいな。変態ってなんかほら、たとえばエレクトーンの木目でアガっちゃうような、そういうのじゃない?(笑)。

一同 (笑)

TUCKER まあ、言われてもその場ではアハハとか笑って応えるけど、家に戻ってから「俺って変態かなー?」って考え込んじゃったり(笑)。

やけのはら でも、変わってるからっていうだけではなくて、純粋に面白かったんですけどね。王道は王道としてあっても、やっぱりその人なりのことをやってる人が好きだっていう志向があって。TUCKERさんを最初に見たときも、すごく上手いのもわかるんだけど、綺麗に聴かせるというよりも、わざわざ危ない橋を渡るような……やっぱりビビッと来ましたね。僕の中では、なんか(サイプレス)上野くんたちとかとも通じるところもあって。あえて不確定要素を入れるライヴをしたがってる感じというか。

TUCKER あー、なるほどね。不確定要素って、それこそRDMのライヴとかでもいっぱいあるけど、なんていうか、不確定要素=お客さんと共有できる要素だと思うんですよ。そういうのがライヴの醍醐味なんじゃないかなと思ってて。ま、それをあえて前もって用意するっていうのもちょっと違うと思うんだけど、そういう不確定さが入り込む余地があったほうがやっぱりライヴとしては面白いし……そうそう、以前、やけのはらくんと地方で一緒になった時、隣の塾から苦情が来たことあったじゃない?

やけのはら ライヴやってた場所の隣に塾があって、そこの人がバットもって乗り込んできて、うるさいっていって音量下げられたんです(笑)。

TUCKER その時、やけのはらくんがすごかったのが、場の空気をちゃんと読んで、MCもちょっと多めでDJして上手にまとめてたんですよね。そういう事態が起きたら起きたでやりようがあるんだなってっていうのを、やけのはらくんを見て思って。僕はなんか、ただただどんどん音量下げられていくばっかで。ライヴって普通、最後に向かって音量も上がっていくものだけど、反比例するかのように音量もだんだん下がってって(笑)。RDMとロンドン行った時も、全然音響がちゃんとしてないライヴハウス普通にあったけど、それはそれでその場で対処したことが、意外と面白かったりするんですよね。それはあんまり考えて出来ることじゃないから。だけどDJはとくに、そういう臨機応変な対応がはっきりフィードバックされるよね。

やけのはら うん、それは楽しいですよ。お客さんによって変わりますしね。

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