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Shimokitazawa Indies Fanclub

PRODUCER'S TALK

角張 渉(カクバリズム)
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長崎貴将(ギャラクティック)

約2000人がライヴハウスを目的に下北沢をウロウロするざわざわ感

角張 やっぱり、下北沢のライヴハウスって、カラーあるんですよね。

長崎 うん。だけど、それってウチらが観に行ってた頃のイメージなのかもしれないけどね。それこそシェルターだったら、古いのから観に行ってるけど、やっぱりカクバリズムのイベントとか、54-71とかtoeがやってる時は観に行ってたなー。

角張 俺もギョガンレンズとか観に行ってましたねー。251とかも行ってたし、BASEMENT BARではJ-Popナイトとかやってたし(笑)。あれ、週末によく許してくれてましたよね(笑)。あとERAが出来てからは、友達のバンドがERAによく出てたから行ったりしてましたね。

──そういうハコ自体に歴史やニオイがあるところの他にも、新しいライヴハウスもいろいろ出来てますよね。

角張 そうですね。今回の会場だと、ERA、GARDEN、THREE、FEVERとかですね。こんなにたくさん出来てどうすんだ? ってぐらいに。

長崎 今回、440と屋根裏は先に予定が埋まっちゃってたんだよね。

角張 そうなんですよ、屋根裏が埋まってたのは残念だったなぁ。

長崎 自分たちが好きな音楽にしろ、バンドにしろ、下北沢から出てきてるものってすごく多いじゃないですか? 実際、渋谷なんかよりも下北沢から根付いて出てきたっていうものが多いよね。

角張 今の若い子のトレンドはもしかしたらちょっと違うかもしれないけど、俺らにとっては下北沢が中心だというのは、ある意味で抗いようがなくありますよね。今の人たちって、特定のライヴハウスへのこだわりが少ないと思うんですよ。ここでしかやりたくないとかじゃなくて、いろんなところでやるから、どこ出身みたいな感覚は僕らの時代よりも少ないかもしれないですよね。いろんなところでやってるし、あまり思い入れもないのかもしれない。だけど自分らにとっては、たとえばユアソングだったらシェルターで定期的にやるっていうのが、自分の中の義理じゃないけど、人生の約束事みたいに捉えてるところはあって。僕らの中には、そういうところにも感謝の念はあるかもしれない。

──なるほどね。

角張 あと、これはネモト・ド・ショボーレ(DECKREC代表)さんが言ってた名言なんですけど、エラくなった友達とかが、たまに下北沢のライヴハウスとかにふらっと来て、「変わってねぇなぁ~」とか「変わったなぁ~」とか言うけど、「こっちは毎日いるんだよ!ずっとライヴハウスにいるよ!」って言ってて。それはたしかに正しくて。そう思うと、俺らも「ライヴハウスよくいた頃は……」とか言っちゃいけなくて、本来は毎日行ってなきゃいけない人間なのに、行ってるフリしか出来てないから。で、ここで初心に返って、こういうイベントをやって身を入れ替えようっていうか(笑)。

──そんなみそぎの意味もあったんだ?(笑)。

角張 そういうのもあるし、下北沢への恩返しっていうのもありますね。俺はディスクユニオンで働いてたから、毎日出勤する街ではあったけど、ネモトさんみたいな毎日ライヴハウスにいる人たちには到底敵わないし、ライヴハウス的な視野もないんだけど、イベント当日に2000人ぐらいの人がライヴハウスを目的に下北沢にやって来てウロウロするっていうことは、なんかざわざわ感とかワクワクする感じがあっていいんじゃないかなとは思うんですよね。俺がもし今もユニオンの店員だとして、そういう状況見たら、「なんか今日、人いっぱい来ていいじゃん!」って思うだろうし、そういう波及が下北沢の街のいろんなところで起こったらいいなって思うんですよね。で、それが成立するのも、下北沢だからこそって気もするし。

長崎 とは言え、そこで下北沢を強烈に謳っちゃっていたら、今回のメンツは集まらなかったわけだしね。

角張 そうですよね。“たまたま下北沢だったんですよね”って言いたい気持ちはありながらも、でも実はそうじゃないよねっていう。やっぱり下北沢だなって思うし。

長崎 ま、そういう魅力のある不思議な街だっていうことですね。

角張 おっ、まとめた! カッコいい!(笑)

角張 渉
カクバリズム代表(CEO)
http://www.kakubarhythm.com/

長崎貴将
ギャラクティック代表
http://galactic-label.jp/

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